2017年2月3日金曜日

インフルエンザ

本格的な寒さの毎日でここ最近では、インフルエンザが流行しています。
そのためか、「人のインフルエンザは動物にうつりますか?」というご質問を受けることがあります。
結論から言うと、ウィルスの種類が違いますので、犬や猫には人間のインフルエンザは感染しません。人間のインフルエンザの感染伝播が問題になるのは、鳥類と豚です。

しかし、犬に感染するインフルエンザそのものが「ない」とは言えなくなってきました。
海外では犬インフルエンザの発生、流行があるといわれています。
犬インフルエンザは犬の呼吸器疾患を引き起こす感染症であり、現在2種類の犬インフルエンザウイルスが報告されています。
H3N8亜型CIVは2004年1月にアメリカ合衆国フロリダ州で呼吸器症状を呈した競技用のグレイハウンド22頭から分離されました。感染した22頭のうち14頭は回復しましたが、8頭は出血性肺炎を伴い死亡しました。その後もグレイハウンドでの流行や家庭飼育犬における感染も確認されています。このウイルスは現在アメリカ国内で定着していると考えられています。また、このウイルスは本来馬の間で流行していた馬インフルエンザウイルスが何らかの原因で犬に感染し、その後犬間で感染を繰り返すことによって犬に定着したものと思われます。
H3N2亜型CIVは2007年に韓国の動物病院において重度の呼吸器症状を呈した犬から分離されました。このウイルスは韓国、中国、日本の野鳥が保有しているH3N2亜型鳥インフルエンザに由来することがわかりました。その後、韓国、中国、タイなどアジア地域で流行していましたが、2015年には北米での発生も確認されています。
このウイルスは流行が起こった犬舎に同居していた猫にも感染が確認されており、犬と同様に呼吸器症状を示したとのことです。
これらのウイルスは現在のところ日本での発生はありませんが、近隣諸国で流行していることや感染拡大傾向にあることから今後注意すべき疾患であります。
今のところ、犬から人への伝播は報告されてないとのことです。
インフルエンザはうつらないとは言え、そういった際にペットと過度なスキンシップをとるのは、衛生上控えた方が良いかもしれないですね。

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